2010年1月20日水曜日

〇<第一詩集)夢の渓流


    「夢の渓流」


私は小さな水滴になって
いっしんに川をくだっていた

空を漂っていた日
ふと見下ろした大海の
めまいするような眩しさに
魅きこまれ
思いはつのるばかり
どうしても逢いたかったから
飛び降りてみたの
ほんの一瞬のことだった
私は今、水滴のひとつぶ
空の記憶を水面に伝えながら
木々の深い根もとを通り
玉砂利のすきまをくぐり
石の上をすべり

どこまでも
傾斜している
夢の渓流をたどっていく

押し流されて
命は前にすすむだけ
不安と期待がまじりあって
胸の鼓動は高まっていく

両岸に続く緑の葉群れの
狂ったような輝きに
ふうっと気が遠くなって
吸い込まれてしまった

途方もない時間を流れ
夜明けまでには 海へ
あの人の心の入口に
流れ込んでいく


☆雲の中の水蒸気は、もしかしたら海に恋をしてるのでは・・。
何だか、そういう気がしたので・・。
今日は、ちいさな水のひとしずくになって、海への旅をしてみました~♪

1 件のコメント:

  1. そして海も空に憧れて空に昇っていくんですよね。繰り返し、繰り返し

    返信削除