2010年1月3日日曜日

〇’第一詩集)天啓~♪

 今朝は、昨夜の満月の光がまだ残っていて、朝日と混ざり合ってキラキラッ~と輝いているような朝でした。寒いけど、さわやかな冬の朝ですね~♪
なぜか、この詩が思い浮かんできたので書いておきます・・。

    「天啓」

雨上がりの庭に
まっ白いゾウが立っていた
ぬれた草を踏んで
清らかにそびえていた
(インドの祭りを抜け出して来たんだな)
ゾウの背中には
ひろびろとした青空が乗っていたが
ゾウが青空を包み込むほど大きかった

グレイの作業服の人が
けむりのようにあらわれて
にぶく光るちりとりを
右手に持ち替えながら
ゾウの中をご案内しましょう
と言った
東の空には、ホーキの跡が残っていた

しずかなゾウの目の奥で
朝の日光がはじけ
私はその中に吸いこまれていった

ゾウの体内はがらんどうで
ひなたのにおい
目をとじると
草穂が波になって
どこまでも広がっているのが見える
生まれる前から住んでいた
なつかしい場所だった

ゾウのとなりでは
もう一頭のゾウの影がゆれ
見えない存在の深さを感じながら
私はゾウにすっぽりくるまっている

いく日も
ゾウの内側にもたれて
おだやかな脈動を
全身で聞いていると
いつのまにかねむりこんでしまった

ねむりの向こうで
祭り日がつづいている

1 件のコメント:

  1. ゾウさんに乗るのではなくてゾウさんに吸い込まれるのですね。面白いです。赤ちゃんが母親の胎内にいるように、ゾウさんの体内でぬくもりを感じる雰囲気が何となく微笑ましいです。生まれ故郷に帰る雰囲気かな。ゾウさんと仲良くしていきたいです。

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