2018年2月12日月曜日

(新しい本)キミと出会うのは

      「キミと出会うのは」

キミと出会うのはいつも冬
すべての色彩が光にもどり
どこかへ帰っていく時間
世界の表面が薄くなって
心が透けて見えてくる
ボクは自分の心の空洞に
佇んでしまう

そんな時、キミは空からやってくる
狂ったようにざわめいている暗い空から
きよらかにひたむきに落下する
心の天井を壊してきたの
キミは笑いながらおどけてみせる
もう一つの国からそそがれる
ま新しいメッセージ

キミはとても冷たい
ボクの手のひらで溶けていく
キミは誰
ボクはキミの名を思い出そうと
記憶の底を探す
かすかな存在感が少しずつ
積み重なって つもると
この世の価値観がクルッと反転し
ボクはキミでいっぱいになる
ボクはキミ キミはボク

時間が凍って立ち止まっている
光になった色彩のつぶが
みんなここに集まって
白く白くまっ白になっていく
地上日置き忘れられた雲の輝き
今にも動き出しそうな
白い動物たちたくさんかくまって
静まりかえった
何もない白い空間

キミとボクの二人だけ
本当に出会えているのかいないのか
白さの中で戸惑いながら
二人だけで世界は満席になる
ボクの心の中なのに
現実から一番遠い場所





0 件のコメント:

コメントを投稿