2018年2月11日日曜日

こもれ陽

     「こもれ陽」

かさなりあった木々の枝の
葉っぱのすき間には
ギザギザになった小さな空が
いくつも浮かんでいる

風が吹くたびに形が変わり
鳥が羽ばたくごとに
小刻みに揺れるけれど
静止した瞬間に
まわりの空気が凝縮して
青く透明なレンズになる

アクアマリンの原石のような
こもれ空の光のレンズ
じっとみつめていると
向こう側の世界が見えてくる

心とつながっている
レムリアの大地にも
穏やかな陽が差して
川に沿って続く道が
どこまでも伸びていく

上空の木の葉が
リチウムクオ―ツ゚に変わる頃
心のどこかにもこんな木が
すっと立っている気がする

こもれ陽と一緒にこもれ空が
地上に降りてくるとき
大きな空のピアノが音をたて始め
ひたむきにピアノを弾いている
あなたの指が見えてくる

音楽は私の内部に入り込み
私のすべてを揺さぶってくれる

今、ピアノの音の一滴が
私の海に落ちたようだ
海がふるえて波が生まれ
私は光の波で満ちてくる
もう溢れてしまいそうになる

空のどこかで
ピアノを弾いている
あなたはいったい誰ですか






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