2010年2月9日火曜日

窓 ♪


    「窓」

窓は光でできている
小さい窓も大きい窓も
どんな形の窓も
みんな光で作られている

外から内に向かって
投げかけられる日の光と
内から外に向かう心が
バッタリ出会う光のたまり場

淡い光や濃い光が
この場所でキュンと結晶して
垂直に立っている
窓いっぱいにはりめぐらされた
アンテナみたいな樹木の枝
小枝にからみつく青い空
洗濯したての白い雲

遠くまでくっきり見えている
風景のすみずみまで
光のつぶが反射しているだけの
幻影かもしれない

時間はまっずぐに流れない
何かにひっかかって
進むことも戻ることもできない
もどかしい日々

私の夢はどこに行ったのだろう
ふらっと出かけたまま帰ってこない
夢もこわれやすい素材で
つくられているから
窓の内側で眠っていると
私という存在も
実体のない幻だと気がついた

窓の内と外の区別は消えて
風が吹き抜けていった
世界は全部つながっている

夢の光を浴びている間だけ
時間は切実に動く

窓は光でできている
光は窓でできている
窓を開けなくても
すでに窓は開かれている

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