2010年3月26日金曜日

(新しい本(氷上の四分三〇秒~♪


    「氷上の四分三〇秒」

スケート靴を履いて
リンクに立ったら
ぼくがぼくじゃない気がした
氷の上をすべり始めると
顔にあたる風が心地良い
エッジで世界を感じている
(湧きあがる声援を全身で受けとめて
キミは澄みきった表情をしていた)

スピードをあげて滑走
ターンしてスパイラル
ばくの不安感や緊張感を
ブレードが切りさいて
氷上に新しい曲線を描く
一瞬ごとに自分自身の限界を
超えていく
(キミは野生の動物の目をして
懸命に何かを追いかけていた)

思いきり高く飛びあがって
キリキリと回転する
宙に投げられた独楽のように
ぼくのまわりの様々なことを
全部ふり切っていく
クワド トリプルアクセル フリップ 
ジャンプが決まるたびに
拍手が大きな波になって押し寄せる
(キミは見えない翼を持った天使になって
空を飛んでいた)

無心で滑っていると
氷の精霊たちが話しかけてくる
挨拶をかわしながら進んでいく
どうかぼくを前へ前へと
運んでください
無事に着氷できますように
(滑走した跡には、たくさんの花が咲いた
キミは謎の魔術師かもしれない)

氷が溶けるほどの熱気の中
ぼくはステップを踏み続ける
つま先から軽快な音楽があふれ出て
ステップシークエンㇲは
今ここにいるよろこび
(キミの情熱的な演技をみつめていると
私たちはみんな吸い込まれていく)

両手を掲げてアップライトスピン
世界をくるくるかきまぜると
飛び散っていたものが
もう一度ひとつになっていく
四分三〇秒の長い旅をおえて
ぼくはぼくにもどった
(キミは少年のような無防備な顔をして
誰よりも美しく笑っていた)

4 件のコメント:

  1. フィギュアスケートの高橋大輔くんの演技には、いつも惹き込まれてしまいます♪オリンピックが終わってから、この詩を書き始めましたが3月26日の世界選手権までには、何とか書きあげようと思って、・・・応援の気持ちを込めて作った詩、何とかぎりぎりに間に合った作品です♪まだパーフェクトではありませんが・・。

    そのうちに、どこかの詩誌に載せると思いますけど・・・。詩誌掲載前にUPするなんて^!!!(笑)
    大ちゃん、読んでね~♪(*^_^*)キャー♪♪

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  3. 素敵な詩ですね・・・♪

    野生の目・・・
    天使の羽根・・・
    情熱・・・
    最後には笑顔・・・
    凄くわかります・・・共感します♪

    本当、稀な才能の全て兼ね揃えたスケーターですね♪
    世界が待ってたスケーターって気がします。。

    愛がこもった素敵な詩をありがとうございます♪

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  4. のりのりさん

    大ちゃんのイメージの詩を読んでくださって、どうもありがとうございます♪のりのりさんに読んでいただけて、とってもうれしいです。
    演技をそのまま追ってる感じですけど・・・(*^_^*)
    「願かけ」で作った詩(笑)なので、このまま載せてみました。

    昨夜は、エキシビションを放送(こちらの放送局では・・)してたので、やっぱり見てしまいました~♪「ラブレター」にうっとりです~♪世界が待っていた~♪という感じそのものでしたね♪

    彼のスケート姿、何度見ても、そのたびにわくわくしちゃいますね~♪

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