2010年4月1日木曜日

あなたの音色~♪

    「あなたの音色」

低くつぶやくような
ピアノの音が
暗闇のなかに浮かび
あわく小さな光源になった

光はつらなったり
はなれたりしながら
宙空を飛びかっている

ピアノの音の一群が
わたしに向かって語りはじめ
目の前で踊りだすと
大きな光に変わる

ピアノを弾いていたのは
あなただったのですね
私はもう迷うことを止め
あなたの方向だけを
まっすぐにみつめる

あなたの音のひとしずくが
するどく輝きながら
今 私の海に落ちてきた

海面がかすかに揺れて
それから深く揺らぎ
波が生まれた

あなたのピアノの音色が
海をゆさぶっている
私という存在の原初の海を

1 件のコメント:

  1. 詩誌「POETICA」に載せていただいたばかりの詩です♪
    Nさん、たいへんお世話になりました~♪
    ごいっしょさせていただいた他の方々の詩が独特なので、・・なんだか面白い共演になりましたね(*^_^*)

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