2018年10月30日火曜日

秋の陽ざし

    
透き通った秋の陽ざしに
まっすぐ射られていると
心のすみずみまで
涼やかになってくる

天空で磨かれた
光の粒子が
皮膚を突き抜けて
血流のように体じゅうを
駈けめぐるので
意識の内側も外も
どんどん透明になっていく

物質の表面を覆っていたものは
いったい何だったのだろう
意味のないものに囚われて
前にも後にも進めなかった
不安と焦燥の日々

秋の光の純度の高さに
触発されて
戸惑っていた時間が
どこかに消えていく

私は軽やかになって
不思議の旅を続け
いつのまにか46億年の時を超える

青水晶を散りばめたような
この空の彩は
太陽系が出来上がった日の
空の青さだ

すがれていく木の葉の
間に小さく刻まれた空が
急に広がって
悠久の時間と繋がっていく瞬間

生まれたばかりの
柔らかい地球の上で
私は、今,目を覚ます





   

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