秋の陽ざし
透き通った秋の陽ざしに
まっすぐ射られていると
心のすみずみまで
涼やかになってくる
天空で磨かれた
光の粒子が
皮膚を突き抜けて
血流のように体じゅうを
駈けめぐるので
意識の内側も外も
どんどん透明になっていく
物質の表面を覆っていたものは
いったい何だったのだろう
意味のないものに囚われて
前にも後にも進めなかった
不安と焦燥の日々
秋の光の純度の高さに
触発されて
戸惑っていた時間が
どこかに消えていく
私は軽やかになって
不思議の旅を続け
いつのまにか46億年の時を超える
青水晶を散りばめたような
この空の彩は
太陽系が出来上がった日の
空の青さだ
すがれていく木の葉の
間に小さく刻まれた空が
急に広がって
悠久の時間と繋がっていく瞬間
生まれたばかりの
柔らかい地球の上で
私は、今,目を覚ます
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