2018年10月30日火曜日

秋の陽ざし

    
透き通った秋の陽ざしに
まっすぐ射られていると
心のすみずみまで
涼やかになってくる

天空で磨かれた
光の粒子が
皮膚を突き抜けて
血流のように体じゅうを
駈けめぐるので
意識の内側も外も
どんどん透明になっていく

物質の表面を覆っていたものは
いったい何だったのだろう
意味のないものに囚われて
前にも後にも進めなかった
不安と焦燥の日々

秋の光の純度の高さに
触発されて
戸惑っていた時間が
どこかに消えていく

私は軽やかになって
不思議の旅を続け
いつのまにか46億年の時を超える

青水晶を散りばめたような
この空の彩は
太陽系が出来上がった日の
空の青さだ

すがれていく木の葉の
間に小さく刻まれた空が
急に広がって
悠久の時間と繋がっていく瞬間

生まれたばかりの
柔らかい地球の上で
私は、今,目を覚ます





   

2018年10月17日水曜日

詩集「今という空を」の感想

新木敏郎さんから

(略)

感銘を受けた作品
「ほのお」特に最初の4票はとても素晴らしいと
感じました 詩の枠を飛び出して、商業文としても
書籍や出版社が使うべきだとさえ思いました
「今」の最初の2行、理屈がどうのこうのではありませんね
ㇲトーンと心に落ちてきます 細かいところを銅とらえる
かは個人個人で異なると思いますが、そう違わないと
思います
「窓」特に「窓は光でできている」の一言はすごいです
最初の8行は、名文です

最初,難解でも、繰り返し読むことによって意味がしみ込んでくる
という気がします 四というものはインすポレーションやイマジネーション
が関係しているのだなと思いました
「森」も「流星」も、だんだん形が見えてきました
「空のピアニスト」や「地球へ」や「樹木と太陽と」も見えてきました

結城厚子さんから

「今という空を」装幀も素敵ですね
ページをめくるたびに心が自由になり、豊かな感性を
感じました 読みながら空 風 光 言葉の向こうの
世界に自分の思いをめぐらせました 作者の感性から
溢れる言葉を、自分なりの世界を空想しました
それぞれのページに広がる色の世界に遊びました
「冬の空いろ」「今」が特に好きです



詩集の感想

「ほんのわずかな確率で_虹が出ている」ってそんな感じです。虹をつかみに、ふと気がつくと 私はゾウの背中に乗って 空を飛んでいた。なんだか目に見えるようです。
オルセー美術館でゴッホのブースに入ると空気が全く違っていました。存在感があって圧倒されました。古い教会を真ん中にして道が二つに分かれているのです。空は妖しくグルグル回り、道は折れ曲がり、教会もどこかゆがんでいます。前に立つと吸い込まれていきそうです。衝撃的でした。
真夏の午後 ゴッホの絵の中に まぎれこんだような ひととき あの樹木のなぞは まだ解けないままだ
ちょうどそんな感じかなと思いました

、○ 無花果さんから
素晴らしい作品ばかりですね☆☆☆☆☆
本が読める不思議な真っ暗闇から
、銀河団を仰いでいるかのような清涼感☆
とても懐かしい共感という蝋燭に、ほっと火がゆらめきます
、何度も読ませてくれる詩集なので不思議なのです♪
イメージがフラりと入って来ては、奥行きがスコーンと出て外界に連れて行ってくれます♪

2018年10月16日火曜日

詩集の感想

◎ 佐川友則さんから
(略)

今まで部屋から外を見ていても、何の意味も
ありませんでした でも「窓は光でできている
洗濯したての白い雲」と思った瞬間、意味が
全く違ってきました 窓はアルミとガラスで
出来ていると思っていたのですが光でできて
いたのですね 単なる物の世界から、心の
世界へ変わりました
いろいろと想像が膨らみます
自分が今まで気が付かなかった視点を見せて
くれるので とても新鮮です 出会っていなか
ったら絶対に詩集は読まなかったと思います
 「地球へ」「飛ぶ」などが特に印象に残りました

◎河邉由紀恵さんから
(略)
詩集にまとまったら、真理さんの世界観が強く
現われていますね 透明でまっすぐ、純粋で
求道的・ とても眩しいです
「植物図鑑」の「自分が植物だった頃の記憶」
という一文に惹かれました また、最初の「ほのお」
バシュラールの「蝋燭の焔」あの頃を思い出しました

◎川井豊子さんから
 (略)

最初の詩集「るっぴんるっぴん」から何年たつの
でしょうか こつこつと詩に向かい合ってこられた
時間を感じます 最初と死後の「ほのお」と「窓」が
特に良いです それにしても言葉が瑞々しいですね

◎瀬崎さんから
御作品には、自然との交歓が無尽に描かれていました
卑小な人間世界を包み込んでいる森や山 空を感じる
感覚が良かったです そしてクジラやゾウなどの生物
草花などとの交流が世界を豊かにしてくれるのでしょう

◎岡野智恵子さんから
詩の中の一文「自分で迎えにいく朝日」ここのところ
グッときました 豊かな言葉選びに引き込まれました
何度も読みたくなります





詩集の感想

。ご感想をどうもありがとうございます

◎ 装丁も素敵で、見開きのブルーの色がきれい。
もちろん詩は、どの詩にも
透明な真理さんの世界が広がっていて、
引き込まれます。

最初の「ほのお」という詩の中に

一冊の書物の中には
いくつものあかりがともっていて
ページを開くたびに
あたらしい光に照らされる

(中略)

書物からあふれ出る
さまざまな光は
飛び交いながらうずまき
大きな星雲になって
宙を舞ったり
地に降りて一輪の花になる

(後略)

という言葉があります。
その言葉は「書物」を「詩」に変えたら、
まさしく真理さんの詩そのものだと思います。
真理さんが選ばれた言葉の1つ1つが
「光」であり「星」であり「花」のようです。
真理さんが作るイマージュの空間が広がり、
私も今、そこに立ち会っている気持ちになりました。
           (加藤喜代美さん)


◎ いつもながら、風や光や色のイメージが
素晴らしく 詩の世界にすっかり浸ってしまいました
好きな詩は「空のピアニスト」 「青い樹木」 「クジラと出会った」
「植物図鑑」などなどです
               (石川早苗さん)

2018年10月15日月曜日

ファンタジー

     [ファンタジー」

銀いろに光る
静かな天を
パリっとはがすと
褐色の大地が
どこまでも

(チョコレートファンタジー)

街並み抜けると
新しい町の
まっすぐな道
チョコの香りに
包まれる

(チョコレートファンタジー)

わたしの気持ちの
ひとかけらだけ
とろとろとろけて
不思議な力が
湧いてくる