「氷上の四分三〇秒」
スケート靴を履いて
リンクに立ったら
ぼくがぼくじゃない気がした
氷の上をすべり始めると
顔にあたる風が心地良い
エッジで世界を感じている
(湧きあがる声援を全身で受けとめて
キミは澄みきった表情をしていた)
スピードをあげて滑走
ターンしてスパイラル
ばくの不安感や緊張感を
ブレードが切りさいて
氷上に新しい曲線を描く
一瞬ごとに自分自身の限界を
超えていく
(キミは野生の動物の目をして
懸命に何かを追いかけていた)
思いきり高く飛びあがって
キリキリと回転する
宙に投げられた独楽のように
ぼくのまわりの様々なことを
全部ふり切っていく
クワド トリプルアクセル フリップ
ジャンプが決まるたびに
拍手が大きな波になって押し寄せる
(キミは見えない翼を持った天使になって
空を飛んでいた)
無心で滑っていると
氷の精霊たちが話しかけてくる
挨拶をかわしながら進んでいく
どうかぼくを前へ前へと
運んでください
無事に着氷できますように
(滑走した跡には、たくさんの花が咲いた
キミは謎の魔術師かもしれない)
氷が溶けるほどの熱気の中
ぼくはステップを踏み続ける
スケート靴を履いて
リンクに立ったら
ぼくがぼくじゃない気がした
氷の上をすべり始めると
顔にあたる風が心地良い
エッジで世界を感じている
(湧きあがる声援を全身で受けとめて
キミは澄みきった表情をしていた)
スピードをあげて滑走
ターンしてスパイラル
ばくの不安感や緊張感を
ブレードが切りさいて
氷上に新しい曲線を描く
一瞬ごとに自分自身の限界を
超えていく
(キミは野生の動物の目をして
懸命に何かを追いかけていた)
思いきり高く飛びあがって
キリキリと回転する
宙に投げられた独楽のように
ぼくのまわりの様々なことを
全部ふり切っていく
クワド トリプルアクセル フリップ
ジャンプが決まるたびに
拍手が大きな波になって押し寄せる
(キミは見えない翼を持った天使になって
空を飛んでいた)
無心で滑っていると
氷の精霊たちが話しかけてくる
挨拶をかわしながら進んでいく
どうかぼくを前へ前へと
運んでください
無事に着氷できますように
(滑走した跡には、たくさんの花が咲いた
キミは謎の魔術師かもしれない)
氷が溶けるほどの熱気の中
ぼくはステップを踏み続ける
つま先から軽快な音楽があふれ出て
ステップシークエンㇲは
今ここにいるよろこび
(キミの情熱的な演技をみつめていると
私たちはみんな吸い込まれていく)
両手を掲げてアップライトスピン
世界をくるくるかきまぜると
飛び散っていたものが
もう一度ひとつになっていく
四分三〇秒の長い旅をおえて
ぼくはぼくにもどった
(キミは少年のような無防備な顔をして
誰よりも美しく笑っていた)
ステップシークエンㇲは
今ここにいるよろこび
(キミの情熱的な演技をみつめていると
私たちはみんな吸い込まれていく)
両手を掲げてアップライトスピン
世界をくるくるかきまぜると
飛び散っていたものが
もう一度ひとつになっていく
四分三〇秒の長い旅をおえて
ぼくはぼくにもどった
(キミは少年のような無防備な顔をして
誰よりも美しく笑っていた)