2010年7月19日月曜日

〇<第一詩集)海~♪


     「海」

きしむ音をたてながら
こころが軌道をはずれていく
行き止まりの町で
日常からすべり落ちると
とつぜん呪縛が解けて
海が広がった

海辺に打ち上がられた
流木の背に腰かけて
私は海を見ていた
こんこんと湧き出てくる海水は
くぼんだ陸地に
のみこまれるように
地表を覆っていく

すこしずつ深まっていくね
気がついたら もう足が届かない

くもり空をまねた銀灰色の
光の波はせめぎあいながら
未知の海をひろげ
まるい水平線の向こうから
押し寄せてくる波とぶつかって
砕け散ることを夢見ている

恐竜のような流木は
この世の外からやってきた静けさで
はんぶん砂に埋もれている
さまよっていた時間が
溶けだしているんだね
私の靴の中も砂が入って
ざらざらしてきた

がらんと開いた風景は
見えない力にひっぱられ
うごき続けて定まらない

せっぱつまった思いが
遠近法を無視して
舞いもどってきた
(どこから来たの
 そしてどこへいくの)

空と地面を突き抜ける
道のない道を
ただ流れていくだけ
いつだって途上

海が私を見ていた

2 件のコメント:

  1. 相変わらず素敵な写真と素敵な詩♪
    癒されるねぇ(^^)
    雄大な広い海と解放感!!
    大きい気持ちになれるね。
    あったかい。
    青いのにあったかい・・・。
    海行きたくなったなぁ・・・。
    海と空・・これはホントに自然の賜物だね(^^)

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  2. のりのりちゃん

    いつも、読んで下さって、コメント下さって、ホントにどうもありがとう♪とてもうれしいです!!!
    「青いのにあったかい・」っていうご感想が、すてきですね♪
    あたたかい青!!・ふむふむ・・これって、とても詩的な言葉ですネ!!何か、急にイメージが広がってきたわ~♪
    むむむ・・・。

    でも、このところ猛暑すぎるよね~♪厳しいです・・。
    今日は、37・9度もあったよ・・。
    そちらも温度高そうネ♪

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