2010年6月22日火曜日

●’新しい本(空のピアニスト~♪

    「空のピアニスト」

ちりちりと熱い天空に
まっ白い雲の鍵盤が
いちれつに並んでいる
黒い鍵盤は風の影
きりっと寄りそいながら
かなたまで続いている

空のピアニストは
しずかに一礼すると
山の峰に腰かけて
ピアノを弾きはじめる

指が触れたとたん
雲のピアノの最初の音
が鳴り響き
空のすきまに染みこむと
さざ波がおきる
音がつらなるたびに
波はどんどん広がっていく
音の波 波の音

ピアニストは
世界の感触をひとつひとつ
たしかめるように
指を動かしている
音と音のあいだに潜んでいる音
が謎を解くカギだから

十本の指がいきおいよく
走りだして
妖しいダンスのステップを
くりかえすと
雲は浮かんだり下がったり
空中に音楽が満ちてくる

音の波を受けとめている
大地の耳 耳の大地
地面はゆっくりほぐれていく
山脈はかすかに背伸びして
海や川をつくっている水面は
くすぐったくて身をよじる

空のピアノ曲が聞こえたら
自分が感受できる範囲を
ほんの少しはみ出して
人も自然もいっせいに
自在な感受の方向に
ころがっていく

2 件のコメント:

  1. わぁ~♪
    ステキ♪
    空のピアニストかぁ(^^)
    いいねぇ♪
    幻想的でいいわぁ~♪♪
    この詩見てると、新プロの大ちゃんのアメリを思い出してしまうわ♪
    雄大なスケールで、優雅で神秘的で、いろいろな事を包み込んでくれるような、表現♪

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  2. のりのりちゃん

    お~!! そう来ましたか~♪
    面白い方向にキックしてくださって・・良いパスが回って来た~♪という感じ・・・。(*^_^*)ステキ~!!

    大ちゃんの「アメリ」、ミステリアスな雰囲気がいっぱいで、魅力ありますね~♪、とても静かなのに、無限大のパワーを感じるよね~♪不思議な世界だ~!!!

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