2022年8月22日月曜日

にじのおばあさん

        「にじのおばあさん」


あめあがりの れんげばたけ

ミユとユイがおいかけっこしていたら

そらいっぱいに おおきなにじが

かかりました


ふたりは いろとりどりのにじをみあげて

おおよろこび

「わあーい ゆめのなかにいるみたい」

「にじって ほんとうにきれいだね」

ふたりは みとれてしまいました


でも しばらくすると にじは

すーっと そらにとけて きえてしまいました

「あーざんねん もっとながいことあるといいのにね」

「ほんとだよね」

ふたりは がっかりしました


そのとき そらをみあげながら

ひとりのおばあさんが やってきました

「にじをたべるものが いるんじゃよ」

と ぽつりといいました

ミユとルイはかおをみあわせて

「ええっーにじをたべるですってー」

とふたりいっしょにさけびました


おばあさんは つえをつきながら

ゆっくりとちかづいて あぜみちに ちょこんと

すわりました

「あのなあーニジラたちは にじがだいこうぶつなのじゃ

にじをみつけると ピューンととんできて

にじを かたっぱしから たべてしまうんじゃ」


「ニジラ」

「うそーそんなかいぶついるの?」


「そんな かいじゅうみたいじゃないよ」

「ニジラはイッカクジュウざに すんでいるんだ

コイヌざとオオイヌざのあいだにある

ちょっとめだたないせいざでくらしているんだよ」

ニジラのしごとは ほしのいちを みまもることでな

ほくとしちせいが ちゃんとななつそろっているかとか

カシオペアざが きちんとWというかたちになっているかなど

たしかめているのがしごとじゃな」


ミユとルイはたのしくなってきました

おばあさんは にこにこしながら はなしをつづけました

「ニジラはじょしのひかりを のんでくらしているんじゃ」

でもあるひ ちきゅうになないろのひかりがうかんでいるのを

みてからは そのおいしさに むちゅうになってしまったんだ」

それからニジラっていわれるようになっているんだ

ほしのひかりなどめもくれずにね




 






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