にじのおばあさん
さいしょに にじをみたときは びっくりしたよ
おとうさんの「ほしみはりごう」にのせてもらって
ほしのてんけんをしていたら めのまえにいなびかりがみえて
あたまのなかぐらぐらしたとおもったら ふねが、まっさかさまに
おちていったんだ ぼくは うぉーとさけびながら おとうさんに
しがみついてた どのくらいたっただろうか
ぼくがきがついたとき ふねは どこかのほしについていて
ふねのまどから なないろにかがやく ひかりがみえた
にじのおばあさん 2
「にじは おいしいだけじゃなくて
たべると たのしいゆめがみえるんじゃ」
ふたりは こっくり うなづいて
わくわくしながら きいていました
ほしのみはりを しながらも
ちきゅうのにじを いつも さがしているんじゃ
だからみつけると すぐに やってくるんじゃ」
「あっ だからさっきのにじも ニジラにたべられちゃったんだね
ニジラってめにみえないの?」
「そうじゃよ にじをたべているときに にじから
おっこちまったりするものも ごくまれに いてな」
「えっーにじから おっこちたニジラは
だいじょうぶなの」
「いや もうイッカクジュウざにはもとには もどれん
にんげんのなかまになってくらすことに なるんじゃ」
「ニジがでるたびに いえから とびだしては
そらをみあげているんじゃ」
「ニジラがおちんょうにねがったり
おちたら たすけなければならんのじゃ」
とつぜん かぜがふいてきました
おばあさんのぼうしが とばされてしまいました
「にじのおばあさん」
あめあがりの れんげばたけ
ミユとユイがおいかけっこしていたら
そらいっぱいに おおきなにじが
かかりました
ふたりは いろとりどりのにじをみあげて
おおよろこび
「わあーい ゆめのなかにいるみたい」
「にじって ほんとうにきれいだね」
ふたりは みとれてしまいました
でも しばらくすると にじは
すーっと そらにとけて きえてしまいました
「あーざんねん もっとながいことあるといいのにね」
「ほんとだよね」
ふたりは がっかりしました
そのとき そらをみあげながら
ひとりのおばあさんが やってきました
「にじをたべるものが いるんじゃよ」
と ぽつりといいました
ミユとルイはかおをみあわせて
「ええっーにじをたべるですってー」
とふたりいっしょにさけびました
おばあさんは つえをつきながら
ゆっくりとちかづいて あぜみちに ちょこんと
すわりました
「あのなあーニジラたちは にじがだいこうぶつなのじゃ
にじをみつけると ピューンととんできて
にじを かたっぱしから たべてしまうんじゃ」
「ニジラ」
「うそーそんなかいぶついるの?」
「そんな かいじゅうみたいじゃないよ」
「ニジラはイッカクジュウざに すんでいるんだ
コイヌざとオオイヌざのあいだにある
ちょっとめだたないせいざでくらしているんだよ」
ニジラのしごとは ほしのいちを みまもることでな
ほくとしちせいが ちゃんとななつそろっているかとか
カシオペアざが きちんとWというかたちになっているかなど
たしかめているのがしごとじゃな」
ミユとルイはたのしくなってきました
おばあさんは にこにこしながら はなしをつづけました
「ニジラはじょしのひかりを のんでくらしているんじゃ」
でもあるひ ちきゅうになないろのひかりがうかんでいるのを
みてからは そのおいしさに むちゅうになってしまったんだ」
それからニジラっていわれるようになっているんだ
ほしのひかりなどめもくれずにね