2011年1月11日火曜日

トキオ時計店~♪

  新しい年が始まって、10日過ぎました~♪今年のブログは、ここからスタートです♪さて、どんな作品をUPしようかなぁー?気分を換えて、ファンタジーを載せてみましょうね♪

     「トキオ時計店」

 なだらかにつづく山道は、もうすっかり落ち葉が積りつもり、秋の匂いでいっぱいです。葉っぱをふみしめながらゆっくり歩いていくと、きゅうに霧がたちこめてきました。霧の向こうに、丸太をかさねてつくった家がうっすらと見えてきますね。かんばんも何もありませんが、ここが有名な「トキオ時計店」です。木のドアを開けて、中に入ってみましょう。トキオさんは、丸メガネをかけて、青空のような色のシャツを着て、いっしょうけんめいに木を削っています。

 「こんにちは」と声をかけると、仕事の手をとめて、「やあ、いらっしゃい」とにこにこしながらむかえてくれました。目がとても澄んでいます。店の壁にも、ショーケースの中にも、ずらりと時計がならんでいます。クスノキ・ケヤキ・サクラ・クルミ・・・いろいろな種類の木を、星や月などの形に切って、長い針と短い針をつけただけの、とても素朴な時計ばかりです。木の目がとてもきれいなので、ひとつひとつ見ていると、時を忘れてしまいそうになります。「トキオさんの作った時計を持っていると、なんだか幸せな気分になるよ」ってみんなによろこばれていました。なかでも、目ざまし時計は、起きたい時間にセットしておくと、ふしぎなメロディーが鳴って、パッチリと目覚めることができます。「こんなにさわやかに目が覚めるのは、トキオ時計店の時計だけだよ」って、うわさが広がって、どんな遠いところからでも、お店を探して訪ねてくる人が多くなってきました。うわさはどんどんひろがっていきました。

 ある晴れた日の朝のことです。トキオさんが店をあけるまえに、掃除をしていると、窓から一匹のスズメが飛びこんできました。「あのーすみません」スズメはおどおどしながらも、かぼそい声で話しかけてきたのです。トキオさんはおどろいてしまいましたが・・スズメは羽をバタバタさせながらも、ひたむきな顔つきで話しはじめました。[朝、はやく起きることのできる時計を作ってくださいませんか」「ええっ? だってスズメさんたちは、はみんな早起きじゃないか」スズメは「はい、私たちは、だれよりも早く起きて、歌を歌いながら、朝をよんでくるのが仕事です。みんなによろこんでもらえるのが、楽しみなのです。ところが、最近、さんかく森の若者スズメたちが、、なかなか起きてこなくて・・・。朝がおそいぞぉ~ってたくさんの苦情がくるようになったのです」と、とっても困ったようすです。
「そういえば、最近、夜がなかなか明けないし、スズメの声が少ないような気がするね」トキオさんは、朝食のパンをスズメにすすめながら、しばらく考えこんでいましたが・・・。「よしっ じゃあ私の時計をつかってみてください」トキオさんは、時計に「朝」という文字を彫ってから、スズメに手渡しました。スズメはたいへん喜んで、時計を大事そうにもって帰っていきました。(この続きは、また明日~♪)

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