「時を呼ぶ」
とうめいな雨つぶが
透明な風景の中を
いっせいに降りてくる
無数の雨つぶが連なって
線になったり面になったり
かたちを変えながら
私の目の前を通って行く
雨つぶのひとつひとつには
小さな光を宿し
地面のものにぶつかるたびに
それぞれの音を奏でながら
地面に吸い込まれていく
雨音が遠ざかる頃
空気がやわらかくなって
立ちのぼり流動し
風景がりんかくを
とり戻すと
新しい色彩を
発し始める
冬から春へとつながっていく
あざやかな瞬間
このコメントは投稿者によって削除されました。
返信削除