2024年3月13日水曜日

命を運ぶ

          「命を運ぶ」


私たちは命を運んでいる

どこからやってきて

どこまで運ぼうとしているのか

誰も知らない


時間という船に乗って

揺れながらさまよっている

運んでいるものが

肩にくいこむほど重い日

飛び立ちそうなほど軽い時


若葉のように柔らかだったり

岩石のように硬かったり

どんな形をしているのか

誰も知らない


船はまっすぐに進まない

行ったり来たりを

繰り返しながら


うすい透明な波を

何枚も何枚もくぐり抜け

分厚い高い波をいくつもいくつも

乗り越えて進む


海のまん中で立ち止まってしまうこともある

瞬間を閉じ込めた海の色が

永遠の方角に広がっていく


空を見上げると

天空で渦巻いているものに

巻き込まれてしまいそうになる


両方の手の平を

合わせて祈りの形になると

その隙間からもれてくる光

あたり一面に広がっていく


大空からしたたり落ちてくる

言葉の雫を待っている

満ちてくるもの引いていくもの


私たちは命を運ぶ

何かに揺さぶられながら

いつも航海の真っただ中

果てのない旅が続く


2024年1月31日水曜日

トマト

             「トマト」作曲してくださいました

         とてもかわいい歌になっています

    https://www.youtube.com/watch?v=6TdCoq9IwVU

2023年9月29日金曜日

バルーンアートのうた

        「バルーンアートのうた」


 黄色いふうせん

 ふくらませては

キュッ キュッと

まわす ひねる

オレンジふうせん

たてがみにして


あっというまに

ライオンできた

はじけるように

わらいながら

ゆったりふわり

ゆれている


空気で作った

バルーンアート

キュル キュルと

ひねる つなぐ

みんなのきもち

つめこみながら


こんどは なにが

できるかな



2023年8月7日月曜日

アオスジアゲハの翅のように

 

アオスジアゲハの翅のように

 

「暗闇をくぐりぬけて

やっとここまで来たの」

光と出会ったばかりの

アオスジアゲハは

まぶしそうに遠くを見る

 

空が恋しいから

異国の空色を身にまとい

小声でうたうように

マーガレットやマリーゴールドの

まわりを飛んでいる

翅を動かすたびに

空気が波になっていく

 

闇の色を翅に残したまま

触覚をふるわせて花にとまる

祈りの姿で蜜を吸う

吸いこむたびに

小さい体が透きとおり

あたりの風景も

少しずつ透明になっていく

 

「川の音が聞こえるわ」

意識の川はどこから来て

どこへ流れていくのだろう

川面がふつふつ揺れて

定まらない具には

 

いくつかの風の門を

くぐり抜けて

意識のまん中に

飛び込んでみる

深く深く潜りながら

水をかき分けると

意識の川はいつしか

実在の川とつながってくる

 

川のほとりを古い自転車で走ると

意識と無意識の交わるところに

アオスジアゲハが

きらめきながら舞っている


こちらに向かって飛んできて

私にとまる

「やっと会えたね」

 

2023年6月7日水曜日

スイカ

      「スイカ」


おとうさんが

両手でかかえて

持って帰った

大きなスイカだ

みどりの大地

黒いイナズマ


おかあさんが

包丁をあてると

ビシッ音がして   

スイカがはじけた

夏のまぶしさ

ぜんぶ入ってる


わたしたちは

わくわくしながら

笑いあいながら

スイカのまわりに

あつまって見つめてた

夏のかおりを浴びながら

2023年2月8日水曜日

さくらさく

       「さくらさく」


さあさあさくら

まちどおしいな

みんなでみてる

もうすぐさくよ

いまにもさくさ


さくさくさくら

ほんとにさいた

はなびらきらり

みんなのきもち

あかるくなった


さこさこさくら

つぎからつぎに

どんどんさくよ

そらいっぱいに

さくらがひらく


さらさらさくら

かぜがふいたら

ひかりになって

そらでかけっこ

みなもにゆれる




2023年1月15日日曜日

ネコは春

      「ネコは春」


奥村忠一さん、作曲してくださって

どうもありがとうございます

絵を描いてくださった方

歌を歌ってくださった方

皆さんどうもありがとう

童謡『ネコは春』 - YouTube