2019年10月18日金曜日

いつもとなりに

「いつもとなりに」

星と星をつないで作る
星座の世界
夜空にお絵かき
しているみたい

描いてるうちに
楽しくなるよ


星のひかりを
見つけるたびに
こころの中にも
明かりが灯る


オリオン座の
ペテルギウス
こいぬ座の
プロキオン
おおいぬ座の
シリウス

三つつなぐと
冬の大三角形

ふたご座の
カストルとポルックスは
いつもとなりに



2019年10月2日水曜日

りんごのウサギ

     「りんごのウサギ」

ママが作った
りんごのウサギ
まっ赤なお耳が
ピーンとながい

おさらの上に
ならんだウサギ
キラキラお目めで
わたしを見てる

りんごのウサギ
ウサギのりんご
かわいいかたち
美味しい匂い

さあ、食べよう
手を伸ばしたら
ウサギはピョンと
窓から飛んで

りんごのウサギは
ピョンピョンはねて
雪ののはらを
走っていくよ



2019年6月20日木曜日

浜辺

    浜辺

まだ海が見えないのに
潮の匂いがする
狭い路地をすり抜けると
急に視界が広がって
私は浜辺に立っていた

がらんどうのような空と
満ちている海
空と海はどこまで行っても
交わらないまま対面し続け
たくさんの時を飲みこんでいる

浜辺には未来から来たのか
過去から蘇ったのかわからない
大きな謎の物体が立ち
何百本もの細い骨格と
白い帆を持つ
海辺の生き物が
やわらかい砂の上で
何かを待っていた

「風が来たよ」
風が吹き始めると
空と海をいっしょに連れて
ストランドビーストは静かに動き出す
パイプの一本一本が
細胞になって呼吸し
浜辺を歩き始める
海面上昇していないか
見極めるため
風を食べて動き続ける
新しい生命体

テオ・ヤンセンの作品
ストランドビーストが
今。私の目の前を動いている
芸術と科学がつながって
海と空を波立たせながら
どこに向かっていくのだろう


私も新しい風を受けて
歩き始める
いつも海から始まる





2019年6月11日火曜日

雨ガッパのうた

       「雨ガッパのうた」

雨の日には
カッパになるの
雨つぶいっぱい
あびながら
びしょぬれの道
あるいてく

私はきいろ
あの子はみどり
いろとりどりの
カッパのなかま
カッパの声で
笑いあう

雨がふったら
お花もえがお
おいしい水を
のみながら
カッパのパレード
見てるから


2019年2月22日金曜日

みつけたよ

     「みつけたよ」

たんぽぽ ぽぽぽ
咲いてる道を
さがしに行こう
春の午後

なのはな ななな
あかるい野原
夢の向こうに
さそわれる

春の始めの
黄色いひかり
飛びはねながら
花になる

すいせん びおら
ろうばい ぱんじー
たんぽぽ ららら
みつけたよ


2018年12月6日木曜日

山陽新聞

   山陽新聞の書評のページ 「エリアの本」2018年11月11日

「今という空を」(小舞真理著)
岡山市在住の著者の第二詩集。
試作を「現実の向こうに見えている
ものを追求すること」と例え、「窓」
という1篇が。その言葉を象徴する
<窓は光でできている/窓は光で
できている/窓を開けなくても/
すでに窓は開かれている>とつづり
世界は現実と幻。内と外に区別され
るものではなく、風が吹き部けていく
ようにつながっていると表現する。
 宇宙との交歓をうたった「流星」
草花が,舞い、語りかけてくるような
「植物図鑑」など、作品には独自の
世界観があふれる 読後のすがすが
しさが心地良い
 所属する詩誌「黄薔薇」掲載作を
中心に、ここ10年ほどの詩作品を22篇
収めた
    
   本多企画 2160円
          (則武 由)

2018年10月30日火曜日

秋の陽ざし

    
透き通った秋の陽ざしに
まっすぐ射られていると
心のすみずみまで
涼やかになってくる

天空で磨かれた
光の粒子が
皮膚を突き抜けて
血流のように体じゅうを
駈けめぐるので
意識の内側も外も
どんどん透明になっていく

物質の表面を覆っていたものは
いったい何だったのだろう
意味のないものに囚われて
前にも後にも進めなかった
不安と焦燥の日々

秋の光の純度の高さに
触発されて
戸惑っていた時間が
どこかに消えていく

私は軽やかになって
不思議の旅を続け
いつのまにか46億年の時を超える

青水晶を散りばめたような
この空の彩は
太陽系が出来上がった日の
空の青さだ

すがれていく木の葉の
間に小さく刻まれた空が
急に広がって
悠久の時間と繋がっていく瞬間

生まれたばかりの
柔らかい地球の上で
私は、今,目を覚ます